???=言い回し

バトルヘッズを何人かつかまえて「9forの魅力を教えて」と訊ねたとする。

 

するとある人はライミングスキルを魅力として挙げ、ある人はアンサー力を挙げる。

 

またある人はバイブスが一番の魅力だと言う。

 

意見が一致しないのである。

 

理由は簡単でどの能力も同じように高く、同じように9forの魅力だからだ。

 

そんな全能力が高水準な9forだが、さらに特筆すべきなのがその言い回しの巧さである。

 

日本語だからこそ生まれる言葉の妙を巧みに操るそのスタイルが彼を“強いMC”から、“勝てるMC”に昇華させたのである。

 

そしてそのスタイルが現在のバトルシーン及びバトルMCに少なからず影響を与えたことは間違いない。

 

お洒落パンチライン

まずはこちらの動画をご覧いただきたい。

 

 

“さながら少年ジャンプ

“ライムの弾倉にマガジン

“ぶっ放しチャンピオン

 

なんと三つの週刊少年雑誌を引用して一つの文章にしているのである。

(弾倉とマガジンは同じ意味だがそこはご愛嬌)

 

さらにこちらのバトルもご覧いただきたい。

 

 

を出した”

“そしてを出した”

“優勝までの距離はの先だった”

 

同音異義語を用いた何ともリリカルなパンチラインである。

 

極めつけはこちらのパンチライン。

 

転がっても七転八倒 8mile越えれば

俺の数字だ それは分かるか?

あとは中指でプラス1

銃を突きつけるぜお前のこめかみ

銃で撃たれて天に飛び立つ

 

9forの知名度を一気に押し上げた第11回高校生ラップ選手権でのパンチラインである。

 

これを読解すると以下のようになる。

 

七転(7)八倒

8mile(8)を越えれば

俺の数字(9for=9)

中指でプラス1(9+1)

銃(10)で撃たれて

天(ten=10)に飛び立つ

 

9for本人の言葉を借りると“数字ネタ”と呼ばれるこのパンチラインは、過去の同大会を振り返っても類を見ない名パンチラインだったと言えるだろう。

 

その証拠にこのパンチラインが放たれて間もなく、Twitter等で大きく話題となり多くのヘッズがその巧みさに舌を巻いた。

 

そして、現在のバトルシーンではこういった巧い言い回しを使ったパンチラインが流行の兆しを見せている。

 

昔からバトルにおいて巧い言い回しを用いるMCは存在していたし、実際にUMB2008でY.A.S.の放った“冬が来て春が来て秋が来る そしてお前のラップも飽きがくる”というパンチラインの衝撃も記憶に新しい。

 

しかし現在のように巧い言い回しというものが、一つの武器としてバトルシーンに認知されたのはここ最近の話であり、9forの活躍がその一端を担ったことは間違いない。

 

主な戦績

  • 第11回高校生ラップ選手権 優勝
  • BATTLE FANTASISTA ROUND1 優勝

 

音源ほか