右肩上がりの生産数

タイトルでは「いまアナログレコードが熱い」としていますが、アナログレコードの人気再燃は、何も今に始まったことではありません。

 

次のグラフは日本におけるアナログレコード盤の、過去10年間の生産数の推移のグラフです。

 


© RIAJ/生産実績 過去10年間 オーディオレコード アナログディスク

 

2009年には10万枚にまで落ち込んだ生産数が、2016年にかけてほぼ右肩上がりに推移していることが分かると思います。

※2012年にビートルズがLPボックスをリリースした影響で、この年のみ生産数が例外的に跳ね上がっている。

 

これは世界でももちろん同じように推移しており、アナログレコード盤の世界的な市場規模は2017年現在、1千億円にも達しています。

 

現状、音楽業界はCDのようにパッケージ化された商品の売り上げは毎年減少傾向にあります。

 

これはデジタルデータ音源の普及が背景にあります。

 

そんな中、アナログレコード盤だけが、右肩上がりに成長を続けているのです。

 

一体アナログレコードの何が人々を惹きつけるのでしょうか?

 

 

アナログレコードの魅力

皆さんのアナログレコードのイメージはどういったものでしょうか?

 

別の曲が聴きたくなったら、いちいち棚から探し出して、レコードにセットしなければいけない。

 

A面が終わったらいちいち裏返して、B面に変えなきゃいけない。

 

針が摩耗したら交換しなければいけない。

 

などなど、アナログ特有のマイナスイメージばかり思い浮かべてしまっていませんか?

 

アナログレコードには、デジタルでは絶対に表現できない魅力があるんです。

 

再現度と情緒性

アナログレコードは音量の変化を直接を凸凹にして記録しているため、音の再現性が高いと言われています。

 

CDの場合、一定以上の高音はカットして記録するのが普通です。

 

反面、アナログレコードは全てを記録するため、「音に奥行きがある」「音に温かみがある」と感じる人が多いようです。

 

また、前述したデメリットである、自分が能動的に動かなければいけないという、「面倒くささ」がより音楽と密に関わることが出来るようになる、ある種の儀式としてその人気を支えています。

 

 

クリック一つで、あるいはタップ一つですぐに音楽がかかる。

 

便利ではあるものの、音楽に対して感じる愛情を制限している要因なのかもしれませんね。

 

インテリアとしての魅力

 

休日の朝、コーヒーを片手にレコードに針を落として、椅子に腰かける。

 

レコード好きなダンディの休日のchillイメージしました。

 

 

レコードがもつレトロな雰囲気は、置いてあるだけでインテリアとして成立するほどにオシャレです。

 

また、アナログレコードのジャケットは、CDのそれと比べてかなり大きいです。

 

LP(Long Player)盤だと、およそ30cm×30cmもの大きさがあるので、表面のデザインが見えるように置くと、こちらもインテリアとして味わい深いものになるでしょう。

 

コレクションとしての魅力

アナログレコード盤にはプレミア価格の付くものが多く存在しています。

 

例えば、ザ・クオリーメン(ザ・ビートルズの前身グループ)のThat’ll Be The Day』は、1千万円を超える高価格で取引されています。

 

1千万円ほどではありませんが、HIPHOPにもプレミア価格で取引される、いわゆる「レア盤」と呼ばれるものが多数存在しています。

 

所有欲を刺激されますね。

 

レコードプレイヤーはここまで進化した

 

アナログレコードプレイヤーってなんだかアンティークな感じがしますし、高そうなイメージがありませんか?

 

実は全然そんなことないんです。

 

Amazonでベストセラー1位を誇る『ION Audio Max LP』は、お値段なんと8,470円。

 

1万円を切っているんです。

 

さらにすごいのがその機能面です。

 

USB端子が搭載されていて、アナログ盤をPCやスマートフォンなどのデバイス、CDなどの記録媒体に取り込むことが出来ます。

 

他にもヘッドホン端子やRCA音声出力端子、ステレオミニジャックの外部入力端子が搭載されているなど、現代に合わせて利便性も高められているんです。

 

日本のラッパー達も続々VINYLをリリース

日本のラッパー達もVINYL(アナログレコード盤。読:ビニール)を、CDと並行リリースすることが結構あります。

 

最近だと、NORIKIYOの7thアルバム『Bouquet』収録曲の『It Ain’t Nothing Like HIp Hop』が、10インチのVINYLとしてリリースされています。

 

 

90’s風味のトラックのこの曲、レコードとの相性も良さそうです。

 

CDとVINYLが並行リリースされる場合、往々にして何かしらの特典が付きます。

 

その最たるものが、ジャケットですね。

 

『It Ain’t Nothing Like HIp Hop』もVINYLのためだけに専用のジャケットがデザインされています。

 

面白いものだと、こちら。

 

 

AKLOの『RGTO』のVINYL版なんですが、不良漫画『ドロップ』の鈴木大先生が描きおろしたジャケットになっています。

 

『RGTO』の世界観に合わせたかっこいいデザインですね。

 

 

ジャケット以外だと、ボーナストラックも特典として収録されることが多いです。

 

最近のものだと、KANDYTOWNの菊丸の2ndアルバム『On The Korner』。

 

こちらは、アルバムが丸々一つLPとしてリリースされており、収録曲『sketch』の客演を変えてリミックスされたものが、特典として収録されています。

 

 

特典ジャケット、音源いずれも所有欲を掻き立てられます。

 

レコードのある生活

便利さばかりを追い求め、日々進化を続ける我々人類。

 

利便性を追い求めるが故に、味わいや趣を駆逐してしまっているのかもしれません。

 

たまにはHIPHOPらしく、時代に逆行してみるのもいいかもしれませんね。

 

ぜひ皆様も、レコードのある生活を味わってみてください。