HIPHOPにのめり込み、いざ「自分で音源を作ってみたい!」と思っても、どうやって作ったらいいか分からない&何が必要か分からないという方がほとんどだと思います。

 

大前提として、音源制作を行う方法は二つあります。

 

一つは、スタジオを借りて行う方法。

 

全国流通として世に売り出すものを作るのであればこちらの方法を取るべきです。

 

もう一つは、自宅で録音してミックスまで自分でする方法。

 

いわゆる、“宅録”と呼ばれる方法ですね。

 

デモ音源などであればこの方法で十分ですし、今どきの宅録用機材はかなり高性能で、ミックスなどにもよりますが、一つ目の方法と遜色のないレベルの音源を作ることが可能です。

 

いまやsound cloudやYouTube等で誰でも気軽にデモ音源を世に送り出せる時代。

 

日本でも自らの名前を売ための手段として、フリーのミックステープをリリースすることが、当たり前になっています。

 

しかし、それらのクオリティが低いと、いくらラップの技術があろうと見向きもされません。

 

被せもズレてるし、音質も最悪。しかもなんかトラックの音でかくて声小さくない?なんか聴いてるこっちが小っ恥ずかしくなる・・・。

 

そんな音源は再生開始10秒で停止ボタンを押されてしまうでしょう。

 

どんな目的の音源も、聴いてもらえるレベルのクオリティである必要があります。

 

というわけで今回は、スタジオで録るのとそこまで差の無いレベルの音源を、宅録で作るために必要な機材をご紹介させていただきます。

 

※あくまで今回ご紹介するのは必要な機材のみで、それらの使い方等はまた別途学ぶ必要があります。(そこまで難しくはありません)

 

 

必須機材

パソコン

録音~編集まで終始必要になってくるものです。

 

画像はMacBookですが(特に理由はないです)、もちろんWindowsのパソコンでも構いません。

 

Windowsであれば圧倒的にコストパフォーマンスの高いデスクトップパソコンも選択肢に入れることができます。

 

Macのノートパソコンを買おうとすると、10万円前後は最低でもかかりますが、同じ10万円前後でWindowsのデスクトップを選ぶと、Macに比べてかなり高性能なものを買うことができます。

 

しかし、音楽を生業にしてる人ってみんなMacを使っているイメージがありませんか?

 

実際にスタジオで使われているパソコンのほとんどがMacと言っても過言ではありません。

 

それはなぜなのか。

 

答えは至極単純で、昔はDAW(音楽編集ソフト)のほとんどがMac専用だったからです。

 

昔は選択肢がMacしかなく、全員がMacを使用していました。

 

そして、MacとWindowsの操作方法は全くの別物です。キーボードの配置から違います。

 

そうなると、自ずと次の世代に教えるときも、自分の慣れ親しんだMacを使って教えますから、音楽=Macのイメージが脈々と受け継がれてきたのです。

 

「Macの方が直感的な操作可能だから~」なんていう人もいますが、MacとWindowsの価格差を埋めるほどに優れた操作性かと言われると、全くそんなことありません。

 

今やMacに出来てWindowsに出来ないことも、Windowsに出来てMacに出来ないこともありません。

 

強いて言えば、使えるソフトは圧倒的にWindowsの方が多いです。

 

そして維持費も初期費用も圧倒的にwindowsの方が安く済みます。

 

さらには拡張性も圧倒的にwindowsに軍配が上がります。

 

日本人の国民性よろしく、右習えで選びたい方はMacを選びましょう。

 

 

また、もし既にパソコンを持っているのであれば、よほどの低スペックじゃない限りは、新調する必要はありません。

 

CPUで言うとCore i5以上が望ましいですが、Core i3でも動作はもっさりするでしょうが大丈夫です。

 

ちなみにCore i7とCore i5にはそこまで差がありません。

 

新調するのであれば、BTOパソコン(受注生産のパソコン)をおすすめします。

 

「BTOパソコン」で検索すればオンライン店舗がたくさん出てきます。

 

8万円もあれば十分なスペックのデスクトップ型のBTOパソコンが購入できるでしょう。

 

マイク

はい。ラッパーの命、マイクです。

 

まず大前提として、マイクは二種類に分類されます。

 

一つがダイナミックマイク。

 

HIPHOP好きなら一度は58(ゴッパチ、ゴッパー)という単語を耳にしたことがあると思いますが、それはダイナミックマイクの代表であり、超ロングセラーを誇るSHURE SM58というマイクを指します。

 

もう一つが、コンデンサーマイクです。

 

両者は構造に大きな違いがあるのですが、そんな仕組みを理解しても、酒の席で披露するウンチクぐらいにしかならないので、特徴だけを簡単に説明します。

 

ダイナミックマイク

  • 丈夫
  • 安い
  • 録りたい音に集中して録れる

 

コンデンサーマイク

  • ダイナミックマイクに比べて壊れやすい
  •       〃      高い
  • 広い範囲の音を拾える
  • クリアな音を録音できる

 

かなり簡単な説明ですが、ざっとこんな感じです。

 

ダイナミックマイクはライブ向きで、宅録には圧倒的にコンデンサーマイクが向いています。

 

コンデンサーマイクの特徴に壊れやすいと書きましたが、当サイトの体感的にはそこまでじゃないという感じ。

 

 

これはもう今から5年も前に購入したコンデンサーマイクですが、今試しに繋いでみたところまだまだ使うことができました。(使うかどうかは別として)

 

一度パソコンデスクの高さから床に落としたことがあると記憶しているのですが、意外と丈夫なもんですね。

 

ちなみにそのとき一緒に落としたRolandのオーディオインターフェースQUAD CAPTURE UA-55は一発でお釈迦になりました。

 

 

あくまでもダイナミックマイクと比べ壊れやすいという程度で、よほど乱暴な使い方をしない限りは壊れないものと思っていただいて結構です。

 

おすすめコンデンサーマイク

マランツプロ MPM-3000


 

オーディオメーカーで有名なMarantzが昨年2016年に販売開始したコンデンサーマイクで、その性能は折り紙つき。

 

コストパフォーマンスにも優れていて、ポップガードやショックマウント(後述)も付属されています。

 

さらに、見た目も豪華なアタッシュケースのようなマイクケースも付属しています。

 

とにかくこれを買っておけば間違いないという一品。

 

マランツプロ MPM-1000

 

MPM-3000の廉価版で、その値段なんと約4分の1。

 

1万円出してお釣りがくるお買い得商品です。

 

無論3000には劣るものの、十分な性能があります。

 

予算と相談して、どちらかを選ぶといいでしょう。

 

オーディオインターフェース

基本的にマイク単体では、パソコンに接続することができません。

※一応USBマイクなども存在しますが、ボイスチャットなどのそこまで高い音質を必要としない用途向けのものです。

 

オーディオインターフェースにマイクを繋ぎ、オーディオインターフェースをパソコンに繋ぐことで初めて録音環境が整います。

 

オーディオインターフェースの役割をこれまた簡単に説明させていただきます。

 

  • マイクに電力を供給する
  • ノイズを軽減する
  • 音のズレを軽減する

 

細かいことをいうともっとあるのですが、こんな感じです。

 

ちなみに、ダイナミックマイクは電源が不要で、コンデンサーマイクは電源が必要です。

 

じゃあダイナミックマイクの場合は、電源が要らないから直接パソコンに繋いでも使えるかというと、そうではありません。

 

パソコンのマイク用入力端子には常に5Vの電圧がかかっているため、そこに直接ダイナミックマイクを繋げると、電源不要のダイナミックマイクは壊れてしまいます。

 

では、電源が必要なコンデンサーマイクならどうでしょうか?

 

コンデンサーマイクに必要な電圧は48Vですから、5Vでは足りないのです。

 

つまりダイナミック、コンデンサー問わずどちらの場合もオーディオインターフェースは必要です。

 

そして、役割の1つに挙げたノイズ軽減ですが、これは驚くほど軽減されます。

 

オーディオインターフェースを使うのと使わないのとでは雲泥の差です。

 

ですから、音源制作においてオーディオインターフェースも必須アイテムと言えるでしょう。

 

おすすすめオーディオインターフェース

M-Audio M-Track 2X2M

 

 

24bit/192kHz対応の超高音質録音、いわゆるハイレゾ録音の可能なオーディオインターフェースです。

 

そして特筆すべきは、USB端子。

 

業界初のタイプC対応のUSB端子が備わっているんです。

 

そして、DAWソフトcubaseや作曲用のソフトなども付属していて、コストパフォーマンスも申し分ありません。

 

M-Audio M-Track 2X2

 

2X2Mとの違いはMIDI端子が搭載されているかされていないかの違いです。

 

値段は4000円ほど安くなります。

 

MIDI端子は主に電子楽器を繋ぐための端子ですから、基本的に人のトラックに乗ってラップする人にとっては不要な端子です。

 

もし、そのうち自分で作曲もするかもしれないという方は、4000円多くだして2X2Mを購入しましょう。

 

ヘッドホン

 

トラックを耳で聴きながらラップするため、ヘッドホンも必須です。

 

スピーカーでトラックを流してしまうと、マイクがその音も拾ってしまいます。

 

さらに、コンデンサーマイクは高性能が故に、ヘッドホンからの音漏れまでも拾ってしまいます。

 

ヘッドホンは必ず開放型ではなく密閉型を選び、レコーディング中は音漏れしない程度の音量でトラックを流しましょう。

 

ちなみにおすすめのヘッドホンは特にありません。

 

すでに密閉型を持っているのであれば新調する必要はありません。

 

持っていないため新調するという方は、なるべくクセの無い、いわゆるバランスのいいと言われるヘッドホンを選んでください。

 

とはいえ、前述の機材に比べてそこまで神経質になる必要はありません。

 

最悪イヤホンでもなんとかなります。

 

 

必須ではないけど出来れば欲しい機材

マイクスタンド

発声の基本は立ってすることです。

 

立ってラップ出来るような高さのマイクスタンドがあると便利でしょう。

ボーカルブース

いわゆる防音室です。

 

中に吸音材が張り巡らされていて、音の跳ね返りによる音のブレがなくなります。

 

また、防音ですから環境音の入りもほぼなくなります。

 

さらに、この中ならいくら叫んでも苦情がくることはないでしょう。

 

音が変わるのでできれば欲しいものであることは確かなのですが、目ん玉が飛び出るほど高価です。

 

アーティストを目指す人の中には、ボーカルブースを自ら作ってしまう猛者もいるようで、自作の場合は20000円ほどで作れるそうです。

 

今後、自作ボーカルブースの記事も執筆する予定ですので、作りたいという方はぜひ参考にしてみてください。

 

リフレクションフィルター

超簡易版ボーカルブースのようなもので、マイクの周りを吸音材で覆うためのものです。

 

ボーカルブースの20分の1以下のお値段で購入できますし、それなりに効果も期待できるアイテムです。

 

ちなみにこちらも自作する人が多いので、併せて記事にする予定です。

 

ポップガード

マイクと口の間に取り付けるもので、マイクに息がかかることで入るノイズ、いわゆるポップノイズを防ぐためのものです。

 

正直必須級アイテムなのですが、先にご紹介したマイクには付属しているものであるため、こちらに記載させていただきます。

 

最近はマイクとセットになって付いてくる場合も少なくありません。

 

ポップガードを購入する際には、先に購入するマイクに付属していないかチェックしましょう。

 

DAWソフト

DAWソフトも先にご紹介したオーディオインターフェースに付属されています。

 

オーディオインターフェースにはこういったDAWソフトが付属している場合がほとんどですから、ポップガード同様、別途購入する必要があるのか確認してから必要であれば購入しましょう。

 

値段はピンキリですが、音源を作る程度であればそこまで高価なものは必要ありません。

 

機能性はともかく、フリーのソフトも存在します。

 

 

番外編―さらに高クオリティに!録音時のワンポイントアドバイス

環境音をなるべく遮断する

環境音というのは、あなたが部屋で物音を立てずにいるときに聞こえる全ての音です。

 

空調の音だったり、鳥のさえずりだったり、音の発生源はたくさんありますが、なるべく多くの環境音を遮断しましょう。

 

扇風機や空調を付けるなんてもってのほかですし、真夏でも窓は締め切り、カーテンも閉めてしまいましょう。

 

そして見逃しがちなのが、パソコンです。

 

パソコンはマイクの近くにあることが多いですし、意外と熱を逃がすためのファンの音が大きいんです。

 

もちろん電源を切るわけにはいかないので、出来るだけマイクと隔離して置きましょう。

 

マイクとの間を段ボール一枚で隔てるだけでもだいぶ違うはずです。

 

出来るだけ大きい音で録音する

小さい声でぼそぼそラップしたものを編集で底上げして丁度いい音量にしようとすると、ノイズも底上げされてしまい、聴くに堪えない音源になってしまいます。

 

逆にちゃんと発声して録音すれば、音量調節の幅も少なくて済むのでノイズも全く気にならないレベルに抑えられます。

 

オーディオインターフェースで録音時の音量を調節できますので、あなたがラップするときに出す最大音量が、ぎりぎり音割れを起こさないような録音音量に設定しましょう。

 

手元にオーディオインターフェースがない状態では理解しづらいかと思いますので、とりあえず今は記憶の隅にいれておく程度で構いません。

 

まとめ

フリースタイルも面白いですが、ラッパーの本分は何と言っても音源制作です。

 

あなたの思いや考えをラップにして世に送り出す。

 

そしてそれを聴いて共感してくれる人がいる。

 

すごいことですよね。

 

今はプラットフォームが非常に充実しているため、昔に比べてはるかに、作った音源をたくさんの人に聴いてもらえる可能性が高くなっています。

 

最近ではAbema TVでRYUZOの立案のもと立ち上がった新プロジェクト『ラップスタア誕生』なる、音源によるオーディション番組なんかも始まっています。

 

今後も、フリースタイルブームをHIPHOPブームに変えるべく様々な企画が仕掛けられることでしょう。

 

あなたも音源を制作して、次のHIPHOPドリームの主人公を目指してみてはいかがでしょうか。